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直接感じる空気が感情を動かす



人と向きあって直接感じる空気が感情を動かす
~新入社員研修より~


今月上旬、弊社の新入社員研修が無事終了しました。
2年前にリモートで新入社員研修を行い、「社会人への切り替えにはやはり対面研修が必要」との反省から、 昨年同様に感染対策をしっかり取った上で実施した合宿形式3日間と、通勤3日間の計6日間の対面研修の最終日に、 一人ずつ6日間の振り返りを話してもらいましたが、今年の新入社員の感情がこもった言葉と涙に、 参加していたこちらも涙、涙・・・・。

「配属店舗が遠いから、同期に会えなくなる。皆と離れたくない!」
「はっきり言って、最初は研修が辛かった。まだ学生で遊んでいる友人のインスタを見て、 なぜ自分は社会人なんだろうと思っていた。でも、(研修が終わった)今はこの道で後悔していないと言える」
「普段なら自分は泣かないタイプなのですが、○○さんを見ていたら・・・・。(涙)」

半数はオンラインでも話したことが無い、初対面同士の新入社員。
それがたった6日間で、お互いの距離をグッと縮められたのも3日間の合宿があったからこそです。 しかし、今年は研修後の盛り上がり度が一段と高かったような気がします。
その背景には、2年以上に及ぶ、コロナ禍による学生生活の制限からくる反動があったのではないかと感じています。



対面の“リアルな体感”に免疫がない22卒



コロナ禍による学生生活の制限で、大卒・高卒を問わず入社前の学生時代の心理状況に 「孤独を感じて、自分に自信が持てず、前向きになれない」などの影響があったと示す調査があります。

<大卒生:7割以上が孤独を感じ、半数は休学を考えた>
コロナ禍でオンライン授業が増えたことなどから、学生生活で孤独を感じた学生は72.5% と、 7割を超えています。
また、54%と学生の半数以上が大学・高校の休学を考えたことがあると答えています。



学生生活で困ったことの中では、
「自分では難しい問題に当たった際に、友人と助け合えず解決に時間がかかった」
「自然に人と関わる機会を失ったことで、精神的に影響があり引きこもる状態が起こりやすくなった」
などの声もあったようです。 (㈱LABOT 2021年9月調査より)

<高卒生:自信や前向き力などの「非認知能力」低下>


高校での文化祭や、修学旅行などの学校行事がなくなることで、
「非認知能力」 (=自分自身に自信を持つ、思ったことを言葉に出して表現できる、 難しいことでも前向きに取り組める、勉強に対して集中できる を総計した指標) が下がる影響にあったとの調査もあります。
(出所:日本財団・三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング 調査 2021 年 6 月)

人と接して得られる充足感や、自己肯定感が持てないままコロナ禍の2年間を過ごしてきた22年入社の新人達。
学生時代出来なかった「他人と一緒に壁や困難なことを乗り越える体験」を、 入社後にさせてあげたいとデータから感じました。



リアルへの欲求が強く、社会の役に立ちたいZ世代



Z世代ともよばれる新入社員達は、オンラインショッピングも利用しつつ、 お気に入りの実店舗とつながるSNSの両方を活用し、リアルとオンラインの区別なく、 両者を自然に取り入れているデジタルネイティブ。
オンラインですべてが完結することに慣れ親しんでいる反動からか、 リアルな体験への欲求が強い面もあります。

<リアル実施の入社式・新入社員研修希望が7割>


2022年4月に入社を控える新社会人を対象に実施した「入社式・新入社員研修」についての調査 (2021年12月 学情)では、
新社会人の8割弱が新入社員研修をリアルで実施してほしい、 7割弱が「オンライン」のみだと不安を感じると回答しています。



「リアルのほうが質問をしやすい」
「実際に見たり経験したりしたほうが、早く仕事を覚えられると思う」
「一緒に研修を受けることで、同期同士のつながりができると思う」
などがその理由で、学生時代にオンラインでは人間関係を築くことの難しさを体験してきたからこそ、 「対面での体験」や「研修でつくる同期とのつながり」を重視する傾向があるようです。




<4人に1人が、職業を通じて社会の役に立ちたい>


Z世代は義務教育時代からキャリア教育を受けてきた為、 これまでの世代よりも仕事と人生について考える機会が多く、 理想の働き方や将来なりたい自分像を持っています。 指示や命令をするだけでなく、身につくスキルやキャリア形成上の位置づけなど、 キャリアビジョンに繋がるものを示すことで受け止め方が変わってくるでしょう。
また、彼らは仕事を通じた社会課題への貢献意欲が高い為、 (自分の職業を通じて社会の役に立ちたいが25.4% 令和2年版「子供・若者白書」より) 仕事の意味や目的を明確に伝え、自分の仕事が社会のどの部分に役立つのかが理解できると、 モチベーション向上にもつながります。


研修の目的を伝え、出来る方法を一緒に考える


そのような社会背景も加味し、本年度の弊社の研修トレーナーは下記2つを心掛けたそうです。


<22年入社 新人研修の2つのポイント>

 1.強制的な指導ではなく、「なぜやるのか?」という講義の目的を、何度も伝えながら行う。

 2.できない事を「どうやったらできるか」を考えさせ、「出来たら褒める」を繰り返し、 自ら自主的に動けるようにする。

この2つの基本指導ルールにより、トレーナーや同期への信頼感が生まれ、 変わっていく自分自身への自信につながり、少しずつ彼らを変えていきました。
彼らの置かれていた状況を考えながら、仕事に向き合う姿勢になるような研修を行うことを、 トレーナーをアシストする若手社員にも事前に伝えておくことで、 彼らの寄り添う姿勢も昨年とは違ったものになったと聞いています。
だからこそ、たったの6日間という短い期間で同期との強い絆を築くことが出来た結果、 冒頭の新入社員の研修感想コメントにつながったのだと思います。
研修終了後の帰り道、先の「同期と離れたくない」と言った高卒の新人がこんなことを言っていました。
「2年たったら一人暮らし出来るので、関東に来たい。そうしたら同期に会える。早くそうなれるよう頑張りたい。」

新人研修が終わり、彼らが現場(店)に配属されて2週間がたちました。 研修で学生から社会人への切り替えを行ったものの、現場に入れば入社前のイメージとの GAPは少なからず出てくるでしょう。それを乗り越えるためにも、同期との絆が大事になります。
コロナ感染のリスクもありますが、やはり対面研修でしか作り出せないものがあると、改めて感じています。






岡田 聖子
岡田 聖子
ワンスアラウンド株式会社 シニアディレクター キャリアコンサルタント(国家資格)

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