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新入社員研修の転機:自己開示と成長の舞台



今年の新入社員研修に学ぶ

GWが明けました。
4月に入社した新入社員達は、入社後僅か一か月でGWという大繁忙期を経験し、大きく成長を遂げたことと思います。

今回のメルマガは少し視点を変えて、弊社の新入社員研修の内容をお伝えしたいと思います。

弊社の新入社員研修は導入研修と実務研修に分けて行います。 初めの導入研修は3日間の合宿形式で行い、主にチームビルドと基本マナーの習得を徹底して行います。

この初めの導入研修で、いかに学生から社会人への意識の切り替えが出来るかどうかが、 研修トレーナーの使命であり、毎年、苦労するところです。
特に今年は過去最高人数の20名という大所帯。
この大人数を一つに纏めることが出来るのか?
各ショップから選抜したトレーナー達も気合と緊張の面持ちで臨みました。

コロナ禍真っただ中での学生生活を送ってきた今年の新入社員。
コミュニケーションがうまくとれるのかを心配していましたが、 特に問題はなく少しずつ仲の良いグループが出来てきました。
しかし、どうしても年齢の近いメンバーで固まってしまったり、 グループワークでも自分の本心を隠して周りの空気に合わせているように感じていました。

初めて本音を言い合えた2日目の朝


そんな、なあなあの研修の空気が一変したのは2日目の朝でした。
一部のメンバーが社会人としての意識に欠ける行動をとっていたことが発覚したのです

その事実を知ったトレーナー達は、翌朝からの講義をすべて中止にし、 20名全員の連帯責任として、なぜ、このようなことが起きたのか? 今後、同じことが起きないために、自分たちは何をするべきなのか?を話し合うように指示しました。


それでもなかなか意見を言えない新入社員に対し、一人のトレーナーが発した言葉に全員の心が動きました!


『皆の前で自分の意見を言うのが怖い人、手を挙げて!』
すると、ほぼ全員が手を挙げたのです。
『そうだよね、まだよく知らない人の目の前で意見を言うのは怖いよね。 でも今、ここにいる皆が同じ気持ちでいることが分かったのだから、 思い切って自分の気持ちを話してみようよ!』


そこから流れが大きく変わりました。
勇気を出して一番最初に発言したメンバーを皮切りに、次々と思っていることを発言しはじめたのです。


男女を問わず、泣きながら自分の意見を言っている新入社員の姿を見て、 彼らの心の中の見えないバリアが、この1件で消えていったことを実感しました。

話し合いを終えた後の新入社員の顔は晴れ晴れしたものでした。
年齢、チーム分けに関係なく明らかにコミュニケーションが活発になり 皆の心が遠慮から解放されたように見えました。

そして、導入研修目玉は最終日の【ステージパフォーマンス】です。
これは新入社員の採用を始めてから毎年行っているものです。

研修で習得した基本マナー、チームビルドを如何なく発揮して、
「人を喜ばせることが出来る人」になるための登竜門として、
パフォーマンスを披露してもらいます。
(過去には寸劇・漫才などがありました)

今年は【ラップバトル】でのパフォーマンスを行ってもらうことにしました。

褒めラップでチームの皆に「ありがとう!」


そして、集大成となるチーム対抗ラップバトルによる【ステージパフォーマンス】が始まりました。
研修の参観に来ていた本社メンバーと各ショップスタッフから5名の審査員を選出し、ライブ配信で審査を行いました。
審査項目は、①姿勢、②礼、③笑顔の基本動作に加えて、
④リリック(研修の学び、仲間への想い、ストーリー性)、
⑤演出(楽しませる工夫)
の5項目で行いました。


皆のリリックには仲間の成長を称える内容と共に
「学生時代とは別世界!」
「抜け出せない集団心理!」

という研修への戸惑いの言葉に始まり、
「他責ではなく連帯責任!」
「目標を持つってステキだね!」

などという3日間の研修で学んだことが随所に出てきます。
中でも、特に2日目の朝の話し合いのインパクトが大きかったようで
「皆との話し合いで一皮むけた!」
「本音で話せる仲間って最高!」

などのフレーズが、全てのチームから出てきました。


本当に涙と笑いの素晴らしいパフォーマンスでした。

大切なことをトレーナー達に教わった!

学生時代の大半をリモートで過ごした今年の新入社員。
人と接する機会が少なかった分、集団の中で自分の意見を言ったり、 自分の立ち位置を決めることは本当に不安だったのだと思います。

そんな新入社員にガチで向かい合った研修トレーナー達の存在は本当に大きいものでした。
トレーナーは、他社から転職してきたスタッフ、入社3~4年目のスタッフなど、 新入社員研修の経験が無いスタッフが殆どです。

そんなトレーナー達が、ある出来事を皆の心を開くチャンスと捉え、 研修をストップさせてでも皆で話し合わせるという素晴らしい判断を行ってくれたのです。

研修を行う方と受ける方。研修の現場に生まれる空気を肌で感じ、今、何が一番必要なのかをジャッジする。
今回の新入社員研修ではそんな大切なことをトレーナー達に教えて頂いた気がします。






佐藤 梨枝子
佐藤 梨枝子
ワンスアラウンド株式会社 取締役 E&C推進室室長

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