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23卒は就活の「軸」探しを手伝う企業姿勢が必要

ワンスアラウンドの『現場マガジン』 2021年9月1日号




皆様、こんにちは。
ワンスアラウンドで新卒採用を担当している岡田聖子です。
今週は、『人を育てる』シリーズの第15弾。
コロナ禍で学生生活が変化した結果、学生の就職「軸」や自己理解の度合いに変化が出てきています。 具体的事例をお伝えしながら、23卒以降の採用活動に必要な視点を考えてみたいと思います。


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人を育てる法則 【vol.015】



23卒は就活の「軸」探しを手伝う企業姿勢が必要

23卒の採用へ向けて、各企業は4月からインターンを募集、 既にピーク時期の7~8月のサマーインターンを終了された企業も多いと思います。
22卒の7月1日時点の内定率は80.1%で、21卒77.7%を上回り、 企業採用意欲の回復と早期採用の実態を感じさせる状況です。 (コロナ前2020卒の84.0%からは3.9ポイント下回っています)
しかし、就職活動終了者は全体の67.4%。3人に1人は就活継続中で、 その4割弱は内定を持ちながらの活動しているようです。
この4割の学生は、何を考え就活を継続しているのでしょうか?
実は私は面接をしていて多々感じることがありました。


<内定率と内定を持ちながら就活継続する学生の割合>




キャリタス就活2022 学生モニター調査(2021年7月)


22卒採用では学生の就活下準備不足に驚く

弊社の22卒選考では、学生に会社の事を良く知ってもらう為に、 OBOG座談会を追加し、質疑応答の時間を設けたのですが、
「就活の時の息抜きは何をしたか」「リクルートスーツは何着用意したか?」など、 「え?それを企業訪問時に質問するの?」と思うような質問がありました。 学生同士の会話レベルでの疑問や不安さえも解消できないまま選考に臨んでいて、 企業訪問のための下準備は全く出来ていないという学生が増えているのです。

㈱ディスコの調査によると、22卒の学生は、昨年度(大学3年時) 大学に「一度も行かなかった」が11.7%、 「ほとんど行かなかった(数回行った程度)」が49.0%で、全体の61%、 文系では75%の学生が殆どまたは全く登校していません。 そこで、大学で友人と就職活動の話をする機会がなく、 オンラインや SNSでは限られた友人の情報だけで内容的に聞きにくいことも多いようで、 「就活の情報収集が進まない、不十分」と感じる学生が過半数(55.1%)という状況が、 先ほどのOBOG訪問時の質問に繋がっていると考えられます。

問題は就活の「軸」が持てていないこと

一番大きな問題は、この「軸」のなさだと私は思っています。
大学の友人やキャリアセンターからの刺激や情報の減少だけではなく、 企業説明や面接のオンライン化で、他の志望学生と話す機会も減少。 さらにコロナ禍では、アルバイト機会→社会との接点の減少で、 他者と比較した自分の特性に気づく機会も減っています。
企業の早期採用が強まる中、自己理解が浅いまま面接に突入し、 内定が出てから就活の「軸」を改めて考え始める学生もいます。

弊社の選考にもこんな学生がいました。



サービス検定や簿記資格に意欲的な地方出身の短大生
笑顔で人から感謝される仕事という「軸」を持って就活し、弊社を内定した後に、 「上京したとき家探しを親身になって探してくれた」不動産会社と、 店舗接客と運営ノウハウをベースに学校で学んだ経営学を活かせる弊社のコンサル事業との選択で悩んでいました。
そこで、店舗分析などを通してコンサル視点を勉強中の若手OGと話をさせたところ、 その若手OGが持っていた「明確な就職軸」を知り、自分の「軸」はこれで良いのかと悩みだしました。
改めて彼女の話を聞くと、「他の兄弟が四年制大学に進み、親の資金面で自分は公立大学しか 受験できなかったのにセンター試験で失敗。結局短大にしかいけなかった。」とのこと。
「短大にしか行けなかったことがコンプレックスになっていないか? あなたにとって実績次第で大卒との差を縮められることが本当の気持ち=軸なのでは?」と 指摘すると深く考え始め、数週間後に「自分自身も気づけていなかった大事なことに気づくことが出来た。 就活のように人生の大事な分かれ道でアドバイスが出来る仕事は素晴らしいと思った。 私も岡田さんのように誰かの人生に影響力のある仕事がしたい」と、彼女は弊社の内定を辞退し、 人材業界に方向転換して就活を継続をすることになったのです。 (え~、そっちの方向性になってしまうの?が私の本音でした(泣))
その数か月後、彼女のその後が気になり連絡をしたところ、無事「軸」を変えて 活動した人材業界で内定を得ることが出来たようで、 「岡田さんと出会い、明確な軸や目標を発見することが出来て、納得がいく就活が出来た、 目の前の人に真剣に向き合える人を目指して頑張ります」との意気込みが聞けたので安心は致しました。

この内定辞退は、採用担当者としては残念でしたが、キャリアコンサルタントとしては、 自分の本当に大切にしたいことを見つけられて良かったとも思います。
このような学生の思考変化をみると、自分自身や社会のことを知る機会が 圧倒的に不足していることがわかりますが、この傾向は23卒では更に強まり、 今年より更に自己理解や、業界・企業理解が浅いまま就職活動をする学生が増えると思います。






企業側に手間も時間もかかるコロナ後の新卒採用
企業や業界理解をインターンなどで深めてもらうのは大事ですが、 企業側には、自己理解や「軸」探しについての学生へのアドバイスと 成長機会の場をつくる必要性が高まってきていると感じます。

弊社では、10月より23卒のインターンを開始する予定ですが、学生の社会体験不足を加味して、 今年は「店舗での職場体験」を組み込むことにいたしました。 「職場体験」は高卒採用で既に行っているプログラムなので、 大学生向けに少しレベルアップしたものにアレンジが可能です。 実際に現場で働いている先輩たちの姿を見て、ざっくばらんに話をする機会をつくってあげることで、 彼らが自ら「何か」に気づければ良いなと思います。初の試みで店メンバーも試行錯誤するでしょうが、 新卒だけではなく、入社後の新人育成に役立つ新たな視点にも繋がる良い学びになることを期待しています。
また、コロナ禍で変化したリアル店舗の現状(SNS撮影や倉庫からの直納品のオムニ販売)を見れば、 消費者の立場からしか見えていなかった小売業を、より理解した上で入社してきてくれることになり、 入社後のGAPが減り、離職率低下にもつながるはずです。

気軽に参加できるオンラインインターンが増えている今、 あえてリアル体験に軸足を移した弊社のインターンは、 結果的に参加者数や選考応募数が減少してしまうかもしれません。
しかし、就職「軸」を面談で丁寧に確認し、実際に働く現場を見せ、 先輩の飾らない生の声を聞き、企業や業界理解を深めた学生のみの選考になるのだとしたら、 結果的に採用業務の効率UPに繋がり、企業も学生もお互いが満足できる採用活動&就職活動に なるのではないかと期待しています。




最後までお読みいただきありがとうございました。

来週は、「ショップレポート」をお届けします。
どうぞお楽しみに!

ワンスアラウンド株式会社 シニアディレクター
キャリアコンサルタント(国家資格)

岡田 聖子


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