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新人育成は、店全体へのマネジメント研修価値に匹敵


ワンスアラウンドの『現場マガジン』 2021年9月29日号


皆様、こんにちは。
ワンスアラウンドで新卒採用を担当している岡田聖子です。
今週は、『人を育てる』シリーズの第16弾。
以前「新入社員教育をすることで教育係自身が成長する」ことをお伝えしましたが、 今回は入社半年後に行ったシスター振り返り会から見えた育成係の奮闘ぶりと、 その体験による成長の様子をお伝えします。

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新人育成は、店全体へのマネジメント研修価値に匹敵


新入社員が入社して半年。先日、育成係のシスターの振り返り会をベテランキャリア組と、 入社2年目の若手組の2チームに分けて行いました。 シスターのキャリアに関係なく共通した悩みがある一方、ベテランだからこそ気づける視点や、 若手だからしている工夫など、様々な取り組みを聞くことが出来、 新入社員の育成係を引き受けてから、様々な不安や葛藤を抱えながら試行錯誤しながらも 懸命に育成してくれている様子が伺えました。



<先輩の半数は、新入社員に対して不安を持っている>
ちなみに、「4月に入社した新入社員に対して不安を感じますか?」というアンケートでは、 「とても不安を感じる」「どちらかといえば不安に感じる」人が約半数いるようです。 不安の理由は1位「何を考えているか分からなさそう」40.0%、 2位「上手くコミュニケーションがとれなさそう」38.8%など、 受け入れ側にも様々な不安があるのがわかります。
興味深いのは、年齢別、男女比別の不安の割合の違いで、 20代~40代では圧倒的に女性の方が不安に感じており、30代で18ポイント、 20代では12ポイントの差があります。弊社でも、 育成シスター側に悩みがあるのは女性の方が多かったので、 男性上司が女性に育成係を依頼するときには留意が必要です。


弊社のシスターも年代差によるジェネレーションGAPや性格の違いなどの不安や悩みがあるものの、 前向きに育成に取り組んでくれており、先輩シスターの支えを受けながら、 新人が育っている様子もうかがえました。



「新入社員の課題と、指導で変化してきたこと」


~接客トーク編~


課題:お客様より新人スタッフが話している時間の方が長い。
⇒「お客様の話を聞くのが8割!」とずっと言い続けたら、 お客様アンケートで「自分の話を聞いてくれて、感じが良かった」と 新人がお褒めの言葉をいただいた。聞く姿勢の大切さを本人が体感したことで、 ぐんぐんと接客力を伸ばしている。


~業務編~


課題:指示したことをやっていない
⇒指摘する時は、「あれ?自分が〇〇さんにお願いするのを忘れていたかな?ごめんね。」と、 先輩が下手に出ると、「すみません、~~の理由で出来ませんでした」と素直に謝り、 すぐに取り掛かってくれる。
課題:時間意識
⇒業務指示をする時は、時間制限を付け、完了時や不明点は報告・相談させる癖付けを意識 してきた。今ではそれが当たり前に。

~マインド編~


課題:自分に自信がなさそうに見える
⇒新人自身がデキる先輩と自分を比較してしまう。 小さな成功体験を持たせて自信を持たせるようにしている。
⇒初めて接客をして、幸運にもすぐに良いお客様と出会って褒めていただき、 再来店いただくことで本人に自信が付き、他の接客にも積極的になった。
課題:自信過剰でアドバイスを聞かない
⇒本人が出来ていないことに納得することが大事。 苦手だと本人が認めた分野は、聞く耳を持ち、アドバイスを求めてくるようになった。

「慣れてきた入社半年後だからこそ・・・今後の課題」


~接客トーク編~

自分らしい接客の型が出来てきたがゆえ、自分がやりやすい接客方法をとるようになり、 お客様アンケート評価が落ちてきている。 本人が理由を理解していないので、そろそろ話をしてみようと思っている。

~業務編~

店舗運営の基礎編が一通り出来るようになったように見えるので、 かえって新人側の理解が浅い所がわかりにくくなってきた。
業務理解チェックシートを使って確認したい。

~マインド編~

あまり感情を表に出さない新人だが、最近は顔を見れば 何か悩んでいそうだとわかるようになり、こちらから声掛けするようにしている。

上記の指導方法や今後の育成への気づきの半数は、入社2年目の若手によるものです。 シスター達がどう新入社員を育てようか一生懸命考え、 若手も先輩としても成長していることを嬉しく思います。

新人育成という共通目標がチームを強くする


中には今も育成に悩んでいるスタッフもいましたが、 その悩みに対するシスター達のコメントに、また驚きました。
「新入社員の教育はシスターだけがやるものではなく、店全体で育成に取り組むもの だと思う。きっと上手くいくようになるから、店長に相談してみよう!」
「新人の育成に時間をかけたことで自分の業務パフォーマンスが落ち悩み、 店長に相談したら、『新人の成長は、〇〇さんの功績なんだよ。』と言われ、 心が軽くなった。」
この店長のコメントには、店全体で新人を育成しようとする姿勢を感じますし、 他にも、新入社員の成長ミーティングを社員全員で2週間に一度行い、 今も継続してくれている店舗がありました。 新人の状態を店全体で共有し、皆で支えてくれているのです。

育成係を任された以上、「シスターの自分が頑張らなければ」と過度に力が入ってしまい気味ですが、 新人育成は一人でやるものではなく、店やチーム全体で取り組むものです。
「新人の成長は若手の成長につながり、ゆくゆく店の成長に繋がっていく」という 視点を持てたシスターがマネジメント層になった時には大きな力になるはずです。
売上以外に店スタッフ全員が新入社員受け入れという同じ目標に向かい、 コミュニケーションを取り合うことで更にチームが強くなる。
こんな風に考えたら、新入社員育成は何よりのスタッフ教育になるのではないでしょうか。




最後までお読みいただきありがとうございました。

来週は、「ショップレポート」をお届けします。
どうぞお楽しみに!

ワンスアラウンド株式会社 シニアディレクター
キャリアコンサルタント(国家資格)

岡田 聖子

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